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「狐笛のかなた」 上橋菜穂子 [☆小説 (あ行)他]

狐笛のかなた 「狐笛のかなた」
 上橋菜穂子
 新潮社 新潮文庫 590円+税
 2006年12月
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小夜は12歳。人の心が聞こえる<聞き耳>の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の<あわい>に棲む霊狐・野火だった。隣り合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる・・・・・・ ひたすらに、真直ぐに、呪いの彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。


久々に、「読んでよかった!」「出会えて、読む事が出来て、良かった!」と思う本でした。
けして幸福とは言えない環境の中で出会った子供たちが、無邪気に遊ぶ姿に心が温かくなったり、野火の「小夜を見ていられれば・・・、助けになる事が出来れば、それだけでいい。 なのに、心が痛むのは・・・」といった健気さと想いに切なくなったり、彼らがどうなってしまうのか、期待と心配とで、先が知りたくて知りたくて、後半は一気に読んでしまいました。
呪い(憎しみの連鎖)を子供にまで受け継がせるのも親(大人)たちなら、その連鎖を子供たちの為に断ち切る力を持つのも親(大人)・・・というのは、皮肉と言うか何と言うか・・・。
春の陽だまりのような暖かいラストが、とても素敵で印象的でした。
 
09-11-04読了

 
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