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「大正探偵怪奇譚 第壱巻 鬼哭」 揚羽千景  原作/松田環 [☆小説 (あ行)他]

1-大正探偵怪奇譚-鬼哭 「大正探偵怪奇譚 第壱巻 鬼哭」
 揚羽千景  原作/松田環 (藤城陽/絵)
 徳間書店 デュアル文庫 648円+税
 2009年2月
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大正の御世。文明開化の波が、急速に街と人を変化させつつある帝都東京。しかし、古より生息する妖たちは、いまも闇の中で蠢いている。
帝都で、美しい娘ばかり失踪する連続神隠し事件が起きた。銀座で伯母の九尾(きゅうび)、たま子とともに暮らす小説家にして探偵の丑三進ノ助(うしみつ しんのすけ)は、捜査に乗り出す。ある日、事件を追う途中で、子爵令嬢の白金千歳(しろがね ちとせ)と出会った。



劇団「しゅうくりー夢」の舞台のノベライズ。
表紙の進ノ助のイラストと、タイトルに惹かれて購入。
ノベライズ物というと、原作のストーリーやキャラの動きを表面的に追うだけの、小説としてはいまいちの出来の物――というイメージがあって、この本も、さてはて、どんな出来なのか・・・と、あまり期待しないようにして読み始めました。
が、しっかりと、小説作品として成立していて、時々見え隠れする進ノ助たちの過去や因縁、心の傷など、グッと惹きつけられる要素も充分で、面白かったです。
イラストに惹かれて買ったのに、挿絵が殆んど無いのは、残念でした。
ストーリーは、正直言って、早い段階でラストまで読めてしまうので、ドキドキハラハラ感はありませんでした。
全体的に軽く明るい雰囲気なので、この時代の帝都や軍の闇の部分や、人間が暮らす「明るい」世界と、異形の者たちが生きる「影」の世界とが同時に存在する『帝都』の禍々しさとか、そういう部分(雰囲気)も感じられると、もっとハマッたんじゃないかなぁと思ったりもしました。
原作となった舞台については、全く知らないのですが、読んでいて、その事は気になりませんでした。
むしろ、この話をどう舞台で表現しているのかと、舞台に興味がわきました。
同時発売の2巻は、1巻でチラチラと出て来た進ノ助たちの過去編で、3巻も発売予定らしいです。
 
09-02-24読了

 
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