「パートタイム・ナニー」 嬉野君 [ ☆嬉野君]
「パートタイム・ナニー」
嬉野君(天河藍/絵)
新書館 ウィングス文庫 590円+税
2007年7月発行
【bk1】【livedoor】
時給五千円につられ、外国人家庭の乳母のバイトに応募した剛(ごう)。だが、肝心の坊ちゃま――バーソロミュー・ウェリントン、通称バブーは一つ年上の18歳。知能も運動能力も高いが、"悪魔の尻尾付き" と称される、超トラブルメーカーだった!! 歴代乳母が手を焼いた坊ちゃまを腕力でねじふせるため、若くて腕っ節の強い剛が選ばれたのだ。その日から、平穏で堅実だった剛の毎日は激変し・・・・・・!? 荒唐無稽な設定を、問答無用の説得力で描き切る!! 読み出したら止まらない。嬉野君、衝撃のデビュー作!!
面白かったー!
「何このアホな展開!」と思いながらも、「バブーならやりかねない。いや、絶対やる。やらない訳が無い!」と納得させられてしまう妙な説得力と、テンポの良さが、堪らなくハマル、面白いコメディーでした。
本当に、これがデビュー作なのか!?と思うくらい、上手いです。
ウェリントン家の坊様・バブーは、高い知能と運動能力を持っているのに、活用方法がガキっぽく、それがとんでもないトラブルを巻き起こすのに、でも憎めない。
いや、むしろ愛しい。
りっぱに乳母(――というより猛獣使い)の役目を果たす剛の、巧みな「飴と鞭」の使い分けも、素晴しい!(頭を掴んで絞める! 投げ飛ばす!)
商店街の皆さんも気の良い人たちばかりで、幸せそうで、楽しそうで、読んでいてこちらも楽しくなってきます。
小説ウィングス2007年秋号から、続編の連載が始まるそうで、バブーが何をやらかすのか、剛はどんな「飴と鞭」を見せてくれるのか、すっごくすっごく楽しみです。
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