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「戦う司書と雷の愚者」 山形石雄 [  ☆山形石雄]

 「戦う司書と雷の愚者」
 山形石雄(前嶋重機/絵)
 集英社 スーパーダッシュ文庫 552円+税
 2006年1月発行
 【bk1】 【livedoor Books】
 

武装司書たちの本拠・バントーラ図書館が何者かの襲撃を受け、さらに先の戦闘で死んだルイモンの『本』が輸送中に盗まれた。その奪還の任務を背負った見習い武装司書・ノロティ。彼女が必死の捜索を続ける中、ハミュッツが現れ、別の極秘任務を与える。それは、「透明な髪の毛」を持つザトウという男を守ることだった… 一体ザトウとは何者なのか? ハミュッツの狙いは? 『本』をめぐる、壮大なファンタジー、待望の第2弾。
 
 
戦う司書シリーズ、第2巻。
前巻の、デビュー作とは思えない上手さに驚きながらも、この面白さが2巻以降も保てるのか?、
書き慣れてくる分、小さくまとまり始めてしまうのでは?、と少し心配していたのですが、杞憂でした。
確かに、前巻よりも大人しくなったかもしれません。
しかし、面白さは健在です。
ある男の『本』(つまりは、過去の話)と、現在の話が巧みに絡み合い、登場人物達だけでは無く、読者をも翻弄していきます。
数億の糸を操る者、2秒先の未来を予知し、あらゆる攻撃をよける者、等々、強い個性を持つキャラクター達が登場しますが、決してキャラクターだけの小説ではありません。
話の構成も上手く、最後まで飽きさせる事無く一気に読ませてくれます。
そして、前嶋重機さんのイラストが、世界を魅力的にする重要な要素の一つとなっています。
表紙や挿絵はもちろんの事、表紙を開いて直ぐの折込のカラーイラストが、艶気と壮絶さを感じさせ、これから読む話への期待を更に膨らませてくれます。
もしも別の方が絵を描いていたならば、この本の面白さは、今とは全然違った物になっていたでしょう。
もしも、カワイイ系(ギャルゲー系)の絵だったら・・・・・・  orz 
今ほど面白いとは思わなかったかも。
この話を、この絵で読めた事を嬉しく思います。
それにしても、今回初登場のノロティの、「任務に失敗した時、各上司に何て言われるか」の妄想には、笑わせられました。
各キャラの個性を端的に表し、なおかつ恐い。(笑)
ノロティじゃ無くても、想像しただけで恐くて泣いちゃいます。
このシリーズ初の貴重な、そして可愛いギャグキャラには、再度の登場と活躍(妄想力の?・笑)を期待します。

06-09-18読了

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