「少年陰陽師 思いやれども行くかたもなし」 結城光流

　「少年陰陽師　思いやれども行くかたもなし」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円＋税
　2007年10月発行
　【bk1】【livedoor】
　
時は平安。稀代の陰陽師・安倍清明の後継として数々の妖と戦っている昌浩も、普段は陰陽寮の直丁として勉強中の身。昌浩と先輩陰陽生・敏次の二人で、右大弁・行成に対する呪詛返しに乗り出すことになったけれど・・・！？　（「百鬼夜行の蠢く場所は」）、道返の聖域を訪れた比古神が、力を貸した見返りに風音を妻によこせと言う。普段は感情を出さない六合だが・・・？　（「それはこの手の中に」）、など計四作収録の大人気シリーズ待望の短編集！！
　
　
「The Beans」に掲載された短編４編「百鬼夜行の蠢く場所は」「思いやれども行くかたもなし」「疾きこと嵐の如く」「それはこの手の中に」が収録されてます。
「百鬼夜行～」以外は、恋が関係する話です。
自覚してる者も居れば、自覚してない者もいたり。
相手がニブ過ぎて、吹っ飛ばされてた可哀想な方も。（頑張れよー）
敏次は、ホントに真っ直ぐで生真面目で、いいヤツだなぁ。
昌浩・もっくん・敏次の組み合わせが、好きです。
もっくんの技名も、いろいろ読めて、楽しいし。（笑）
（でも、「延髄蹴り風味竜巻落とし」の"風味" って、何？　フェイントって事？　・笑）
各話の扉がもっくんで、すっごく可愛いです。
久々に、明るい昌浩たちを読んで、ホッとしました。

07-10-05読了☆

「少年陰陽師 果てなき誓いを刻み込め」 結城光流

　「少年陰陽師　果てなき誓いを刻み込め」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円＋税
　2007年7月発行
　【bk1】【livedoor】
　
時は平安。荒魂（あらみたま）・八岐大蛇（やまたのおろち）は完全に復活した。が、復讐のために全てを賭けてきた真鉄（まがね）の心に、ある疑念が・・・。一方、一族の怨嗟を受け継ぐ "珂神比古（かがみひこ）" として覚醒した比古は、昌浩に容赦ない攻撃を向ける。一瞬の隙をついた一撃から、昌浩をかばい、立ちはだかった彰子の運命は――！？　一度は心を通わせた比古を、昌浩は倒すことができるのか。出雲九流族の悲願の裏に隠された真の敵とは――！？　珂神編、激動の完結巻！！
　
　
珂神編、完結です。
事態が二転三転し、ただでさえ傷ついている彼らが、さらに追い詰められ、「いったいどうなるのか！？」と、ハラハラしながら読みました。
毎回、容赦無く、登場人物たちがズタボロになり、時に死んでしまう事もありえる為、最後まで気が抜けませんでした。
そして、"もゆら" に泣かされたー！
何て、可愛くて優しくて健気な良い子なんだー！（号泣）
読み終わった後、読み返して、また泣いてしまいました。
早くも次の事件が動き出しているようで、次巻の発売が待ち遠しいです。

07-07-08読了☆

「少年陰陽師 翼よいま、天へ還れ」 結城光流

　「少年陰陽師　翼よいま、天（そら）へ還れ」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円＋税
　2007年5月発行
　【bk1】 【livedoor Books】　
　
　
時は平安。昌浩達の活躍により、平和を取り戻したかに見えた都。だが、その上空には、見慣れぬ異形の姿があった。兄 ・成親が妖に襲われて怪我を負い、安倍邸に身を寄せる彰子のもとにも、不気味な声が近づく。徐々に不穏な影が濃くなる中、昌浩ともっくんが遭遇した敵とは・・・！？　そしてその戦いの裏に隠された悲しい一族の運命とは・・・！　"窮奇編" のその後を描くシリーズ初の外伝登場！
　
　
2007年７月発売予定の同名のゲーム版のキャラと設定を使った外伝。
相変わらず、昌浩は自分の限界以上の力を振り絞って、頑張っています。
毎回、辛くて苦しい思いをして、それを乗り越える為に力も精神もどんどん成長していく昌浩ですが、少し急ぎ過ぎているのではと心配になります。
当時では立派な成人の年齢ですが、もう少し十代の子供らしく、他愛も無い事をのんびりと楽しめたら良いのに。
彰子と二人（＋もっくん）で、「今日はのんびりした一日だったねぇ」なんて言って、笑って過ごして欲しいと、このシリーズを読むたびに思ってしまいます。

07-05-03読了☆

「少年陰陽師 嘆きの雨を薙ぎ払え」 結城光流

　「少年陰陽師　嘆きの雨を薙ぎ払え」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円+税
　2007年2月発行
　【bk1】 【livedoor Books】
　
　
時は平安。「出雲の覇権を取り戻す」 ――九流一族の悲願が蘇らせた荒魂。昌浩の必死な気持ちが通じ、比古は、荒魂を還す方法を探そうと、真鉄たちのもとへ戻った。が、兄弟同然に育ったもゆらの、信じがたい姿を目にした比古の心に、決定的な変化が起きる――！　"贄（にえ）"として九流側に囚われてしまった彰子にも危機が迫るが、そんな事情を知る由もない昌浩は――！？　予想しえない大きな運命のうねりが昌浩を襲う！　珂神編第四弾！！
　
　
少年陰陽師を読んでいると、いつも、「少年が一人ぽつんと佇み、声を出さずに泣いている姿」が思い浮かびます。
毎回、昌浩たちが辛い思いをしているのを読んでいるので、そんなイメージが付いたようです。
今回も、もゆらの事を切っ掛けに、どんどん辛くなっていくけど、そんな中にも小さな希望や優しさの光がポツポツと灯っていて、その光が、最後まで消えずに、そして大きな光になって、昌浩たちを包み癒してくれたらなと願いながら読んでいます。
彰子も、想像以上に頑張っていて、驚きました。
（あの時代のお姫様が、あんなに走れるなんて凄い！）
昌浩が助けに来るのを待つばかりではなく、自分に出来る事を精一杯頑張る彰子は、本当に強くなったなぁと思います。
珂神編は、次巻で完結らしいので、どう決着が着くのか、今から楽しみです。
六合と風音が一緒に居るだけでラヴラヴに思えるのは、先月（1月）発売のザ・ビーンズの短編を読んだ所為かな。（笑）
頑張れ、六合！
守護妖たちのイビリに負けるなよ！（笑）

07-02-05読了☆

「少年陰陽師 真実を告げる声をきけ」 結城光流

　「少年陰陽師　真実を告げる声をきけ」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円+税
　2006年10月発行
　【bk1】 【livedoor Books】
　

時は平安。出雲の地で、瀕死の昌浩を助けてくれた少年・比古は、珂神比古と呼ばれる、真鉄の一族の長だった。敵対する存在として再会した比古は、大蛇の力を操り、昌浩と神将達を攻撃してくる。比古を憎むことができない昌浩は、必死で、ある事を訴えようとするが――！？　一方、都にいる彰子の身にも、魔の手が忍び寄っていた。友情を感じながら敵として出会った昌浩と比古の運命は大きく狂い出す。珂神編第三弾！！
　
　
少年陰陽師のシリーズは、話が進むほど、謎の奥から謎が出て来て、どんどん物語が深刻かつ複雑になっていくので、読み応えが有ります。
初めての同じくらいの年の友人（に、なりそうだと思った）の比古が敵だと判っても、どうしても攻撃出来ない昌浩。
その事に、本気で起こる紅蓮。
それでも、比古の事を思い、比古の本当の思いを理解しよう、比古を助けようとする昌浩の為にも、比古との結末が悲しいものにならないで欲しいと願います。
そして、今シリーズの癒しキャラ（と勝手に私が決定した）"もゆら"が可愛い～v
大好きな珂神（比古）のために一生懸命考えて、行動する姿は、本当に可愛いです。
なので、もゆらにも幸せになって欲しいんだよ～
どうにかならないモンですかね・・・
そして、"もゆら"と"たゆら"の母、真赭が、恐いです。
このひと（狼）が何を考えているかが、物語の行く末を大きく左右しそうです。
早く続きが読みたい！

06-10-06読了☆

「少年陰陽師 妙なる絆を掴みとれ」 結城光流

　「少年陰陽師　妙なる絆を掴みとれ」
　結城光流（あさぎ桜/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円+税
　2006年7月発行
　【bk1】 【livedoor Books】
　

時は平安。昌浩達を襲った謎の術者・真鉄（まがね）は、なんと風音（かざね）の体と霊力を乗っ取っていた。非常な攻撃により、昌浩は瀕死の状態に。人間を傷つけてはならないため、思うように反撃できない神将達もまた酷い傷を負い、真鉄と、彼に従う妖狼・たゆらが、意識のない昌浩を連れ去るのを阻むことが出来なかった。予想もしなかった惨状を前に、安倍清明は、ある決断をするが――！？　いにしえの神の国・出雲を舞台にした珂神編、第二弾！！　
　
　
風音の事は、良かったね、六合！
この巻の後半で、太陰が六合と風音（勾玉）について、とある考察を述べるのですが、これが何とも言えない！
読んでた私も、皆と一緒になって沈黙しました。（笑）
そして、これをコッソリ聞いていた六合は、どう思ったのか、ひじょうに気になります。
この「珂神編」も、昌浩にとって辛い展開になりそうな気配がしてきたけど、その辛さから目を背けず、全てを受け止め背負って前へと進んで行く昌浩と、そんな昌浩を支える紅蓮（もっくん）なら大丈夫。
昌浩を優しく暖かく包み込む彰子、じいさま、神将たち、兄上たちが居るから、きっと大丈夫。
そう思って、続巻の発売を今から首を長くして待ってます。

06-07-03読了☆

「少年陰陽師 いにしえの魂を呼び覚ませ」結城光流

　「少年陰陽師　いにしえの魂を呼び覚ませ」
　結城光流（あさぎ桜／絵）
　角川ビーンズ文庫　４７６円＋税
　２００６年１月発行　
　【bk1】【livedoor Books】
　　
時は平安。久々に平和な日々を過ごしていた、安倍清明の後継 ・ 昌浩。そんな中、以前お世話になった道反の巫女のもとにお礼に行こうと思いたった昌浩は、紅蓮らと共に出雲へと向かうことに。だが昌浩は知らなかった。ちょうどその頃、荒魂を甦らせるための鍵を手に入れんと、謎の襲撃者が道返の聖域に襲いかかっていたことを――！　またしても新たな敵が、昌浩たちの前に立ちはだかる !!　少年陰陽師 ・ 新章、ついに開始 !!　
　
　

06-01-05読了☆