「篁破幻草子」シリーズ 全５巻 結城光流

　「篁破幻草子　あだし野に眠るもの」　第１巻
　結城光流（四位広猫/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　438円＋税
　2002年10月発行
　【bk1】【livedoor】
　
ときは、平安のはじめ。たぐいまれなる美貌とやわらかな物腰とで、宮廷貴族たちのアイドルとなっている十七歳の小野篁（おのの　たかむら）には、誰にも知られていない裏の顔があった・・・・・・。墨染の衣に身をつつみ、宝刀「狭霧丸（さぎりまる）」と魔弓「破軍（はぐん）」をたずさえて、小野篁が京の闇を斬る！　華麗なる歴史伝奇絵巻（ファンタジー）、ついに開幕（スタート）！！
　
　「篁破幻草子　ちはやぶる神のめざめの」　第２巻
　結城光流（四位広猫/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　438円＋税
　2002年10月発行
　【bk1】【livedoor】
　
数十年ぶりに荒ぶる神の封印が解かれた。祟り神となったそれは、おのれを封じた憎い術者を殺すため、禍の瘴気をまき散らしはじめる――。異変を察知した篁は、はたして都を守れるのか？　昼は貴族たちの憧れの君（アイドル）、夜は閻羅王（えんらおう）直属の妖怪退治人（ハンター）。ふたつの顔をもつ少年・小野篁が、京の闇を斬る！　歴史伝奇絵巻（ファンタジー）、待望の大２巻！！
　
　「篁破幻草子　宿命よりもなお深く」　第３巻
　結城光流（四位広猫/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円＋税
　2005年4月発行
　【bk1】【livedoor】
　
人の身でありながら、夜は冥府の官吏として、都にはびこる鬼を狩る――その名も小野篁！　「そ、それ・・・鬼だよな・・・」「鬼以外の何に見えるんだ、たわけ」　幼馴染で親友（のはず）の融（とおる）に情け容赦なくつっこみつつ、連夜鬼と戦う篁だったが、彼の持つ凶星・破軍の魂を手に入れようと謀る異貌の鬼・朱焔（しゅえん）の魔の手が、融にまで襲いかかってきて・・・・・・。
　
　「篁破幻草子　六道の辻に鬼の哭く」　第４巻
　結城光流（四位広猫/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　476円＋税
　2006年4月発行
　【bk1】【livedoor】
　
人でありながら冥府の官吏でもある小野篁は、凶星・破軍の星宿を持つ身。彼の魂を手に入れようと、当代の帝に憎悪をいだく異貌の鬼・朱焔とその部下・井上（いのえ）は、執拗に篁を狙う。さらに朱焔は、篁の最愛の妹にして、篁を補う文曲（もんごく）星の魂を持つ楓（かえで）を手中に収めようとしていた――。　「楓の命を救うために、俺は朱焔を、必ず討つ・・・・・・！」
　
　「篁破幻草子　めぐる時、夢幻の如く」　第５巻（完結）
　結城光流（四位広猫/絵）
　角川書店　ビーンズ文庫　514円＋税
　2007年6月発行
　【bk1】【livedoor】
　
「篁よ、恨みに身を焦がせ。ひとの心など打ち捨てるがいい！」　最愛の妹・楓を朱焔に殺され、篁は闇に呑まれた。篁を救い出そうと、彼の星宿・破軍を守る巨門（こもん）星を探す融たちは、篁と朱焔の、ある秘密に辿り着く。一方、楓が発した言葉が、朱焔の記憶の封印を解き放ち――！？　凶星・破軍の星宿を持つ篁、そして彼を執拗に狙う朱焔の戦いについに決着がつく！！　『少年陰陽師』の結城光流がおくる、壮大な平安伝奇絵巻、完結巻！
　
　
「篁破幻草子」シリーズ、全５巻。
２巻の後、３巻が出るまで数年経っている為、色々と練り直しをしたそうで、少し篁たちの感じが変わっていました。
篁が落ち着いた感じになっていたり、融のドジッ子ぶりに磨きがかかっていたり。
イラストの篁たちも成長していたり、ストーリーも設定が少し変わったのかな？と思える所が有ったりで、少し戸惑ってしまいました。
３巻を読み終わったところで５巻のあらすじを読んでしまい、篁が悲しみと絶望に魂を引き裂かれ、嘆き悲しむ姿が思い浮かび、思わず読むテンションが下がってしまい、その後の読了スピードが激遅に・・・。
その後に何らかの救済は有るだろう事は予想出来たのですが、結城さんの事だから、それまで篁や融たちは、本当に辛い思いをするのだろうなと思うと、読むのに躊躇いが出てしまって。
この「篁」のシリーズも、「少年陰陽師」シリーズも、毎回主人公達が辛く悲しく苦しい思いをするのに、読むのが嫌にならないのは、登場人物たち全員が、一緒に悲しみ、一緒に苦しみ、時に慰め、時に叱咤激励し、相手を心から思いやりながら、皆で一緒に前へと進んで行くからかなーと、思ったりします。
そして、大きな悲しみだけに囚われず、目の前に在る小さな幸せを大事にする。
完結した後の篁たちは、相変わらず辛い事や悲しい事、苦しい事が沢山あるだろうけど、でも、最後の最後に「楽しい人生だった」と笑ってそうな気がします。
そんな生き方をしている登場人物たちの姿を読むのは、本当に楽しいし、何か力を貰えるような気もします。
結城さんの本は、いつも大満足な物ばかりですが、今回１つだけ心残りが。
融と"彼女"は、その後どうなったの！？
無事に〇〇出来たの！？
タイミング良く届いた「篁」と「少年陰陽師」の連動全サ小冊子『天長地久』にも、その事は書かれてませんでした。
凄く気になります。
いつか、その辺のエピソードを書いて欲しいです。（ぜひ！）

「あだし野に眠るもの」　　08-01-04読了☆

「ちはやぶる神のめざめの」　　08-01-06読了☆

「宿命よりもなお深く」　　08-01-09読了☆

「六道の辻に鬼の哭く」　　08-01-16読了☆

「めぐる時、夢幻の如く」　　08-01-20読了☆

コメント 2

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草壁さん、はじめまして。
私も、「篁破幻草子」は全部読みました。
もちろん、「少年陰陽師」も全て読んでます。
両方とも面白いですよね!(^^)!
by usako (2008-01-21 13:46) 

usakoさん、はじめまして。
いらっしゃいませ。
「少年陰陽師」は、かなり巻数が出ているのに、読み厭きたりせず、毎巻とても楽しめると言うのは、凄い事だと思います。
（過去に、他の作家さんのシリーズ物で、途中で読むのを止めてしまった物が幾つか有るので、余計にそう感じます）
「篁破幻草子」共々、大好きなシリーズです。
by 草壁 (2008-01-23 00:01)